
カンボジアに小学校を建てました、北川勇介です。カンボジアに小学校を建設するための費用はどうしたのか?ってことをよく聞かれるのでお答えします。
カンボジアの小学校建設費用はクラウドファンディングを利用した
ぼくは、カンボジアに小学校を建設するために、その費用の大部分をクラウドファンディングを活用して集めました。
プロジェクト公開から2ヶ月で3,095,111円を集めることができ、サイト上での支援者は169名にものぼります。プロジェクト詳細はこちらから確認できます。
最近は「クラウドファンディングを活用してみたい」という人や、「そもそもクラウドファンディングって何?」って聞かれることがあるので、クラウドファンディングを実際に活用した流れと、ぼくがプロジェクトを成功させるためにやった工夫などをまとめておこうと思います。
- クラウドファンディングとは?
- 日本国内のクラウドファンディングプラットホーム
- クラウドファンディングを行うメリットデメリット
- クラウドファンディングのサクセスに向けて大切にしたこと
クラウドファンディングとは?
そもそも、クラウドファンディングって何?って方のために、ウィキペディアを参照してみましょう。
クラウドファンディング(Crowdfunding)とは、不特定多数の人が通常インターネット経由で他の人々や組織に財源の提供や協力などを行うことを指す、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語である。ソーシャルファンディングとも呼ばれる。
引用:ウィキペディア
つまり、インターネット上で「こんな企画がありますよ〜!協賛してください〜」と呼びかけることができるサービスのことです。またクラウドファンディングにはいくつか種類があります。
クラウドファンディングは資金提供者に対するリターン(見返り)の形態によって下記の3類型に大別される。
・金銭的リターンのない「寄付型」
・金銭リターンが伴う「投資型」
・プロジェクトが提供する何らかの権利や物品を購入することで支援を行う「購入型」引用元:ウィキペディア
ぼくは3番目の購入型で、ぼくのプロジェクトに対してお金を支払ってくれた人には様々な「リターン」と呼ばれるサービスをお返ししました。
クラウドファンディング=募金というイメージが強いかもしれませんが、支払う金額に応じて権利や物品が受け取れるわけなので、提供するものに価値がないと支払ってもらえない可能性もあります。
ぼくが設定したリターンには、学校名や教室名を決められる権利や、C SQUAREDが製作してくれたテーマ曲の中に支援者が好きなワードを入れられるというものも用意しました。
商品が届くことよりも、一生そこに刻まれる名前やフレーズなどの価値をリターンを重視だろうと考えたからです。
国内で人気のクラウドファンディングプラットホーム
日本国内にあるいくつかのクラウドファンディングサイトを紹介します。
CAMPFIRE
CAMPFIREは実際にぼくが使用したプラットフォーム。以前は手数料が20%だったが、今はなんと5%!
READYFOR?
READYFORは日本で最初にクラウドファンディングサービスを開始した老舗。国際支援とか貧困問題のジャンルなどの成功事例が多い。
Makuake
サイバーエージェントグループが運営する人気のプラットフォーム。個性的なプロジェクトが多く集まっている。
きびだんご
きびだんごは手数料が10%のプラットフォーム。達成事例が非常に多い。成功率は80%と言われています。
COUNTDOWN
日本から世界へ向けてのチャレンジを中心に扱っているプラットフォーム。
COUNTDOWN(カウントダウン)-クラウドファンディング
クラウドファンディングのメリット・デメリット
続いて、クラウドファンディングを行う上でのメリットデメリットについてです。
メリット
- お金を集めることができる
- 知名度が上がる
- 告知しやすい
デメリット
- とんでもないほどの労力と時間がかかる
- 設定金額に一円でも届かなければお金を受け取れない
- 手数料がかかり丸々100%は受け取れない
クラウドファンディングのサクセスに向けて大切にしたこと
個人的に大切にしたことや工夫したことを紹介します。
1 サイトのあり方を理解し、責任を持って取り組む
勘違いしている人も多いかもしれませんが、クラウドファンディングを行うプラットフォームは、お金や支援者が集まる場所ではなく、お金や支援者を集めるために情報を公開できる場所であるということ。
そのため、掲載されたら注目が集まるわけではなく、そのプラットフォームをベースに自分で拡散し、支援者に確約を取っていかなくてはなりません。
ここに非常に大きな労力がかかります。
また「サクセスしたらラッキー」くらいな気持ちで応募したり、中途半端な企画で炎上することもチラホラ見受けられます。
有意義なシステムな分、アクションを起こす人次第でクラウドファンディングは善にも悪にもなります。
2 情報を公開する時期や目標金額は先を見通して考える
ぼくの場合は、目標金額を300万円に設定をしましたが、もちろん全額受け取れるわけではありません。
僕がCAMPFIREを活用した頃は、手数料が20%かかってしまっていたので、実際に受け取った金額は240万円程度でした。
校舎の建設には350万円ほどを見越していましたので、建設費用全額をクラウドファンディングで得た収益で、というわけにはいきません。
だったらもっと金額を高く設定すれば?
という声が聞こえてきそうですが、数十万円の費用ならともかく、僕のように知名度も少なく、限られた人脈とフォロワーの中で情報を拡散し、世界に結びつけていくためには、これ以上の金額設定は無理だと感じました。
実際に300万円を達成するにも、相当な苦労が伴いました。
そこで考えたのが情報公開のタイミングでした。
公開開始はサクセス後(2015年3月)から8ヶ月後の11月を見越していたので、余裕を持って半年前以上に期限を設定し、サクセス後は、その実績をもとに企業や団体とアポを取り、さらなる援助をいただけるように動きました。
3 「何がしたいか」よりも「なぜそれをするのか」が大切

「学校がなくて通えないカンボジアの子どものために学校を建設したい!」とどれだけ熱を持って話したところで、他人からすれば「んで?」という話になってしまいます。
それよりもなぜ自分は、そのプロジェクトを行うのか?
どうして、その企画が必要なのか?
支援するメリットは何か?
を重点的に伝えることの方が、共感を得やすいと思います。
人の価値観は様々なので、自分のやりたいことを伝えるだけで共感を得られるほど甘くはありません。
4 身近な人ほど誠意を持って話をする
家族や友人にお金の相談をすることは、決して簡単ではないし、気が重いと思います。
しかし、身近な人ほど誠意を持ってお願いができなければ、僕はそのプロジェクトに対する思いも中途半端なものになってしまうと思います。
身近な人ほど「なぜ?」「どうして?」をぶつけてきます。
その「なぜ?」に答えることができなければ、とても人の心は動かせません。
きれいごとだけ言って協力を得られるほど簡単なことではないからです。
結局自分の本気度が試されます。ぼくは連絡のつく友人・知人に片っ端から連絡を取り、電話もLINEを使用してとことんお願いをしました。(これは結構きつかった〜)
5 自分の顔を出し、自分の言葉でストーリーを話す

ぼくはプロジェクトを公開したページに動画を貼り付け、自分の顔を出し、自分の言葉でプロジェクトの内容を訴えました。
知らない人からすれば、顔も知らない誰かの企画は信じてもらいにくいでしょうし、自分のことを全く知らない人に話をするには会えない分、動画がベストだと考えたからです。
今見返してもとても恥ずかしい動画でしたが、サクセスできたのも動画があったからこそと思っています。
「こんなことやります」っていう文面だけよりも、自分の声で、表情で、目線で伝える方が思いは伝わるのです。
6 サポートしてくれる仲間を持つ

プロジェクトの公開に向けて、プラットフォーム上に公開するページを作成しましたが、このページの作成も非常に労力がかかるので仲間がいると安心です。
ぼくの場合はページで使用する写真は、実際に自分が現地で撮影してきたものを使い、文章はコピーライターの友人将太からアドバイスをもらい、動画の撮影・編集などはデザイナーのけんちゃんが協力をしてくれました。
また企画の最中は、批判や皮肉も出ます。特にぼくのように社会貢献事業をPRしている人ほど、多くの意見をもらいます。
1人で見てたらへこんでしまいそうなことも、仲間がいるとポジティブにとらえることができるし、何より1人じゃないという安心感は、原動力にもなります。
プロジェクトを主催する頭数がおおいのも、問題ですが、少数精鋭で臨んだ方が技術的にも精神的にも負担は減ります。
7 答えられない質問をなくし、完成後のビジョンを魅せる

どれだけページを作りこんでも、必ず疑問や問い合わせは出ます。
その質問や問い合わせにどれだけ正確に答えるかも、その後の支援者の増減に影響すると思います。
よく言われたこと
「久しぶりに連絡してきて金の話かよ」
「NPOでもないのにやる意味あるの?」
「建てて終わりになるんじゃないの?」
「今後どうやって生活するの?」
「彼女がカンボジア人なの?」
また、質問・問い合わせを含め、何かコメントをくれるということはチャンスです。
不明確な部分がはっきりすれば協力してもらえる可能性があるからです。
寄せられた質問に答えるだけでなく、その後のビジョンまで描かせることができたら、支援者は増えていくはずです。
8 公開後は継続的にSNSを活用する
Facebookの友達の数や、Twitterのフォロワーの数はあまり宛になりません。
友達やフォロワーが多ければ、拡散する母数も広がりますが、興味を持つかどうかは別問題です。
そのためプロジェクト前から、自分の考えやビジョンを常に公開していき、自分がやっていることを明確に配信し続けておきます。
もちろん公開後も、現状や残りの目標などを必要に応じて配信し、協力者を増やしていくことが大切です。
SNSもクラウドファンディングのプラットフォームと同じで、掲載すれば人は動いてくれるわけではないので、あくまで入り口として捉え、有効活用する方法(掲載する内容、時間帯、頻度など)はしっかり計画しておきましょう。
カンボジアの小学校建設のために活用したクラウドファンディングに関してまとめ
ぼくが実際に行った事例をもとに、クラウドファンディング成功の秘訣をお話してきました。ほとんどのプラットフォームが「成功報酬」という形でサクセス後に請求が発生するため、非常に取り掛かりやすいと思いがちですが、未経験者には本当にしんどい作業の連続だと思います。
一番いいのは実践した人にアドバイスをもらうのが一番だと思いますが、僕の場合は近くにそういった人がいなかったので、わからないことも多く大変でした。
今後、クラウドファンディングを通じて世の中にアクションを起こしていこうと思う方たちに参考になればと思います。
不明点は相談に乗りますので、お気軽にお問い合わせください。
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