コロナウイルスの影響で観光客を失った観光都市シェムリアップ。およそ1年前は目に見えないヤツにここまで影響を与えられるとは思いもしなかったのは、ぼくだけではないはず。
2020年のゴールデンウィークにはなんだかんだいろいろ戻ってくるだろうと思っていたものが「夏休み頃には」に変わり、「寒くなる前には」に変わり、「年末までには」変わり結局年が明けました。
相変わらずカンボジアへの入国にはハードルが高いので、帰国の目処は立ちません。その対策のおかげで被害の拡大につながっていないと前向きに捉えるようにしていますが、やはり観光客のいない観光都市は寂しい。
それでもウイルスを恐れて、何もしなくても結局街も人も死んでいく。今できることをやって生き延びている人たちがこの街にはいました。
2021年1月のシェムリアップのパブストリートの様子
パブストリート周辺の入り口。お土産物屋さんやマッサージ屋さんなど観光客相手のお店はほとんど閉まっているものの、ポツポツと光の見える場所もいくつか。
こういったお店やトゥクトゥクから声をかけられる時、中国語の率がここ最近で高まりました。中国人は出歩いているのか?それともぼくの顔が寄っていったか。
人通りのない路上で遊んでいる子ども達。特に何かねだられたりはしません。楽しそう。
開けているお店がちらほらあるので明るくは見えます。
この辺一帯が閉鎖していた頃よりははるかに華やか。
パブストリートのメイン通り。
人通りは少なく弦楽器を持った演者が2名。特にパフォーマンスする気もなくずっと喋っていました。
以前なら人がごった返していて歩くのも大変なレッドピアノ前の交差点。
「ここでこんなに人がいない写真撮れるのも今のうちかも」なんて思ってた頃からもうすぐ一年経つのに変わらず写真撮れてる。
せっかく昨年取り替えられていた看板も寂しそう。
3月頃に比べて開いているお店はかなり増えたなあという印象ですが、人は少なめ。
こちらは2020年3月の同じようなアングルでの様子。
使っているカメラが違うので画像としての明るさの比較はアレですが、開店しているお店の割合とお店からの光の量は明らかに違う。
その昔スープドラゴンという老舗のクメール料理のお店だった場所。
写真だと伝わりませんが、割と人が入っている印象を受けた角のお店。
その理由の一つが多分これ。ビールが一杯1500リエル。
4000リエルで1ドルなので、0.4ドルしないくらい。0.5ドルビールでも安すぎと驚かれるのに、さらに安い。
光が反射して見にくい写真になってしまい申し訳ないですが、その向かいにはビール1000リエル(0.25ドル)の看板が。価格が崩壊しまくっている。
おそらく1人1フード頼まないとこの価格にはならない設定かもしれませんが、それでもこの薄利多売商売の嵐はやばい。みんな人を呼ぶのに一生懸命。
ちなみにアンコールビールの生樽の仕入れ値は20%ほど値上がりしたそうです。今後は0.5ドル〜1ドルくらいの相場感で飲めるお店も少なくなるかもしれません。
ビールが一杯1000リエルのバナナリーフ。
ベルミロ。ここのホットチキンウイングを食べた翌日にお尻が火を吹くかと思った思い出があるお店。
パブストリート周辺のバー。
アイスクリーム屋さん。
ギリシャ料理のお店。
ランドリーバー。
オールドマーケットなどを眺めていたら小腹が減りましたので
メキシコ料理のお店VIVAへチェックインしました。
ここはずっと閉めずにやってくれているお店の一つ。
注文したものが割と早く出てくるオペレーション、手ごろな価格帯、スタッフの対応の良さ、好立地、そしてもちろんおいしいものばかりなど元々のポテンシャルに加えて、コロナが深刻化した頃から割引セールをずっと続けてくれている優しいお店。朝から晩まで通る度に人がいていい感じ。
生春巻きと
ケサディアを注文。
観光客の方々がアンコールビールと間違えやすいアンチャービール。錨のマークのアンチャービールはfrom シンガポール。世の中ではアンカービールと呼ばれることが多いかもしれませんが、ここではアンチャー。
ノンアルコールライフなので、ソーダで参戦しました。
オープンエアのテラス席でおいしいご飯が食べられるのが良くて定期的に来たくなるお店です。おすすめ。
まとめ
ということで、コロナでロックダウンした2020年3月頃から人がいなくなって閑散としてしまった観光名所の一つパブストリートの今を撮ってみました。
以前のような盛り上がりは依然として感じられないけど、店は再開した場所が増えたり、出歩いている人がいたりと少しずつだけど変化は感じます。
世の中は移り変わっていくものなのでコロナが流行する「以前と同じ」ような状況は戻ってはきません。流行してしまったからこその未来を以前より明るいものにするために、生き延びたみんなが必死で今を生きている。文句を言わず、今できることを探している。
「過去のような状態に戻ることを待つより、明るい未来を作るために動きたい」と感じ、ぼくはこの街でもう少し頑張るぞって思った夜でした。おしまい。