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MIRAIのはじまりと子ども達との約束のために

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カンボジアに建設した小学校

2016年。

ぼくにとってはこれまでにないくらい濃厚な一年間だった。

何と言っても一番大きかったのは、3年越しに叶えた一つの目標。

カンボジアの小学校建設。

そしてその学校が開校したこと。

今年の思い出のほとんどはカンボジア。そして、その活動を通じていろんな人との出逢いや縁が広がって行ったことがすごく嬉しい。

開校式での集合写真

学校建設するまでは、そこに学校ができることへの夢とか希望しかなかった。

でも、実際に学校が建つと村の生活リズムの変化に不安も感じた。

今、学校には笑顔と笑い声があふれていて、子ども達の勉強する姿を見て本当にやってよかったと思っている。

んで、正直。

学校が始まったら、ぼくは燃え尽きてしまうんじゃないかって思っていた。

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(燃え尽きたイメージ)

でも、燃え尽きないどころか、また新しいことを考え始めた。

その時に気付いた。

ぼくは学校を建てて、維持したかったんじゃない。

この村の子ども達の未来を守りたいんだってことに。

この学校をいずれ卒業する子ども達。

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この後、ちゃんと中学校へ通えるのかな?

そんな5年後を描くようになった。

中学校への道のりはなかなか遠いから、もしかしたら距離的な問題で断念する子が出てしまうかも。

自転車があれば、バイクがあれば。

そんな理由だけで、通う可能性を無くしてしまったらどうしよう。

その時にまた、ぼくが身銭を切って自転車を買う。バイクを買う。

買うこと自体はできるかもしれない。

でもそれを毎年できるかって言われたら、難しい。

そもそも何か困った時に、ぼくがお金を出し続けることだって正解じゃないのかもしれない。

でも、守りたい未来がある。

子ども達が将来への希望を見出した時「お金がないから諦める」ってことだけは言わせたくない。

だったら今のうちから、今できる何かで一緒に未来のお金を生み出そう。

自分たちの未来に繋がることを、学校の教育活動の中で生み出そう。

そんな話から、先日もたった2日だけカンボジアのみらいスクールを訪れてきた。

まだまだ甘えん坊な子ども達。

すぐふざけて、ちょっかい出してきて、ニヤニヤしながら走って逃げる。

本当に日本と何も変わらない5歳、6歳の子ども達。

そんな子達の人柄はきっと他のどことも変わらないのに、きっとちょっとだけ違うのは簡単に未来の選択肢が途切れてしまうことだと思う。

小学校で勉強したのに、中学校へ行けなかった。

こんな挫折があっていいんだろうか。

だったら、日本語とか英語とか勉強するよりも、自分の未来を自分で切り開くことを手伝った方が、よっぽどこの子達の為になるんじゃないかって思った。

だから、会いに行って話をした。

「ぼくが開校式で言ったこと覚えている?みんなの未来は絶対守る。でも、その為に必要なことをぼくだけ頑張るのは間違っていると思う。だから、みんなも今できることで助けてほしい。力を貸してほしい。」

そんなことを子ども達と先生に話をしに行った。

正直、5歳6歳の子ども達に話をして、こちらの意図することが伝わりきるとも思えなかった。

最初から全員が、この意味を理解して動けるはずがない。

だから、もしかしたら間違えることもあるかもしれない。

思うようにいかないかもしれない。

この子らが20歳前後になる頃に「なんでぼくがこの村に小学校を建てたのか?」「ここに来てくれた日本人はどんな想いだったのか?」って話ができたらいいなって思っていた。

その話を聞いて、子ども達が自分の人生の中で「自分にできる何か」を探してくれたらいいと思っていた。

でも、それじゃ遅い。

その時から話を始めても、間に合わないかもしれないから。

今のうちから、動き出して、ぼくが残せるものは少しでも残していこうと思った。

ぼくが子ども達の前に立つと子ども達はニヤニヤしていた。

でも、次第に話を進めていくと、一部の子は目が真剣になった。

もちろん、興味なさそうな子もいた。

「何をしたらいいの?」

という子ども達の質問。

「好きな絵を描いてごらん。なんでもいい。」

子ども達は絵を描き始めた。

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紙いっぱいにたくさん描く子、恥ずかしそうに描く子、仕方なく描いている子。

いろんな子がいたけど、23人の小さなアーティスト達から、ぼくはデザインの原画を受け取った。

そして、これを持って勇太とタイへと飛んだ。

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勇太が関わっている孤児院の子ども達が描いた絵と、みらいスクールの子ども達が描いた絵の中から6種類のデザインを決めて商品にする手続きを踏んだ。

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これが年明けにはネックレスになって手元に届く。

シルバーを主とした素材に、k18のコーティングをする。

安い素材で、安く大量に売るってことは考えなかった。

子ども達のデザインにも手を加えずそのままに、しっかりと素材にこだわったものを商品化して販売する。

これがぼくと勇太が選んだ手段だった。

原画を描いてもらう時に、サンプルで持っていたネックレスを子ども達に見せたら、実感がなかったみたいだった。

そりゃ無理もない。

まさか自分たちが描いた絵が、こんななるなんて。

思わないだろうね。

商品が完成次第、販売を開始します。

テーマは月と太陽。

世の中にある光と陰、夢と現実、事実と理想。

いろんなものがあるだろうけど、これまでの運命に少しだけ抗って、目の前の困難に屈せずに生きていく子ども達を育てたいと思う。

この商品の収益は、小学校や孤児院の施設維持はもちろん、そこに在籍する子ども達の未来貯金としてセーブされていく仕組み。

ぼくはこの未来貯金で一期生の卒業式前に一緒にマーケットに行って、みんなが好きな色の自転車を、自分で選んで買うところを見届けたい。

そして、その自転車に乗ってみらいスクールではなく、中学校へ通い始める子ども達の背中を見届けたい。

寄付とか支援が悪いわけじゃない。

ぼくらは、その支援の形にこだわって子ども達と関わっていこうと思う。

だから、簡単にものを与えるのではなく、必要なものを得る為に自分たちにできることで可能性を広げるための、挑戦の場を与えたい。

そして、同情でものを買ってもらうのではなく、買いたくなるようなもの、誰かに送りたくなるようなもの、もらって嬉しいものにしなくては意味がないんだということも考えている。

生産する人も、販売する人も、購入する人もみんなが「ありがとう」で包まれる商品を提供する。

これがぼくらにできることだと思っている。

そしてその為にも僕らが挑戦をし続けることも大切なのだと。

児童労働ではないから、ノルマもないしインセンティブもない。

子ども達は授業の一環で絵を描くだけ。

なんで絵を選んだか?ってことは、カンボジアサーカスからヒントを得ていて、アートこそ人生を豊かにするものだと僕らも信じているから。

アートは人の想像力を駆り立てて、ポジティブにする。

ポジティブな思考は、課題を解決するための思考を生み出して、その思考の先に豊かな未来がある。

特別なことはできないし、しなくてもいい。

それでも、今できる何かの積み重ねで、未来がほんの少しでも明るくなるのなら。

ぼくらはとことん子ども達と向き合っていこうと思った。

商品として完成していないので、原画になってしまいますが興味のある方は連絡ください。

初回生産数にも限りがあるので、先行予約を受け付けます。

▼MIRAIのストーリーが全部読める記事はこちらから

参考記事:カンボジア発のブランド、月と太陽をモチーフにした『MIRAI」の物語

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