カンボジアには、ぼくらと同じ日本人が関わっているプロダクトがいくつもあります。SALASUSUもその一つ。
SALASUSUはものづくりを通じて、カンボジア農村部の最貧困層の女性たちに対して楽しく働く場所づくりや、より豊かな人生を生きるためのライフスキルトレーニングなどを提供しているNPO法人。
教育が受けられなかったり、働き口が限られている人たちに対して、働く楽しみや自分に自信を持てるように。様々な工夫を凝らした仕組みや制度が導入された工房では、今日も多くのスタッフたちが笑顔でものづくりに励んでいます。
ぼくが暮らすシェムリアップは小さな街なので、SALASUSUの日本人スタッフたちともこの街では時折顔を合わすのですが、そんなスタッフの一人からの些細なメッセージが。ぼくとSALASUSUの本当の出会いでした。
SALASUSUとの出会いは突然に

「商品撮影用の場所を貸してください。今から!」そんな連絡が突然入ったのは2018年の年の瀬。
どうやら予定していたスタジオが使えなくなったらしい。
大量の商品を広げながら、周囲を気にすることなく撮影できる場所が他になく、そこで声がかかったのがぼくが共同経営しているBASECAMP SIEMREAP(当時)でした。
もちろん断る理由もなかったし、困っているときはお互い様のおかげさまなので二つ返事で快諾。なんならメンズサンダルの足モデルまでやっちゃったくらい。
場所貸して、ちょっとだけ足も貸して。それで終わるはずでした。
カンボジア発のブランドは選びにくかった

「お礼に商品をプレゼントします」
そう言われて返事に困ったのが実の話。
というのも、冒頭にも書いたようにここカンボジアには日本人が関わるプロダクトがたくさんある。
それに加えて非常に小さな街。
だから、どれかを選ぶと他を見捨てている気がして、ぼくはこの数年間は日本人が関わるブランドはどれも使わなかった。Shipposのマネークリップくらい。いや、使ってるんか〜い。
とは言え、やっぱりいいものはいい。知り合いがやっているから、同じ日本人だから。そんな同情的なものではなく。
世の中にある一つの商品として触れると、やっぱりいいものはいい。
受け取ったトラベルサコッシュを手にして、そう感じるからこそ建前ではなく本気で今こうして記事にもしている訳です。
カンボジアで、現地の人たちと産業を興す。そして、一緒に生きていく。

ぼくも以前、現地の人たちとものづくりをした経験がありますが、それはとても気軽に始められることではありません。
品質を維持・向上させながら、現地の人たちの生活を守りながら、ビジネスを加速させていくことは並大抵の労力ではなし得ないからです。
それはもはや「国際協力」とか「途上国支援」と言えば、それだけで多くの人が賛同するようなものではないことを意味します。
目の前にどれだけ苦しんだ生活をしている人たちがいたとしても、同情だけで物が売れ続けるなんてことはないからです。
乱暴な言い方ですが、SALASUSUの商品を手にした時「本当にカンボジアで作ったもの?」と思ってしまうほど、それは洗練されたものでした。
そしてその次元は今後ますます高まっていくと勝手に期待しています。
トラベルサコッシュが3way

マチがないタイプなので、アレもコレもと多くのものを詰め込むよりも必要最低限のものを厳選して身軽に街へ出るときに効果を発揮しそう。
商品名はサコッシュだけど、ストラップ外せばクラッチバッグとして手に持ったり、バッグインバッグとしても使えます。
3wayじゃん。
ぼくのメインバッグも3wayだから、3wayバッグに3wayサコッシュをバッグインバッグしたら9wayじゃん。
とか意味わかんないことまで考えたところで我に返りました。
全4色展開(ホワイト・ブラック・カーキ・ネイビー)になっていて、生地は撥水性の高いキャンバスを採用しており、雨の日のお出かけにも躊躇なく連れ出せそうです。
1wayのファスナータイプになっているのですが、このファスナー部にはホイッスルが付いています。
いつどこでどんなトラブルに巻き込まれるかわからない現代だからこそ、こういった細かなパーツ一つとっても使う人の命を守るものであることもデザインですよね。

内部にはサイズ違いのポケットも二箇所あって、細々したものがカバンの中で迷子にならずに済みそうです。

さらにその裏には…

SALASUSUの工房で働く女性スタッフたちの名前と検品の印が押されています。
生地を切った人、ミシンで縫った人、品質管理と3段階に別れており、さらに作り手のことを身近に感じますね。
SALASUSUは工房の見学なども受け入れてますので、シェムリアップへ旅行した際にはぜひ一度足を運んでみてください。
サコッシュ
付属のショルダーストラップを取り付ければ、商品名通りサコッシュになります。

このストラップにも一工夫されていて、ペットボトルホルダーがあるので出かける際に買った水も手で持つ必要がないんです。
こういうデザイン一つとっても、暑い国で水分補給しながら遺跡を歩き回るカンボジア旅行を感じ取ることができます。
クラッチバッグ

ショルダーを外せば、数年前に流行ったクラッチバッグに早変わり。
個人的な余談ですが、クラッチバッグ流行った時に特集を組んだファッション雑誌が「おしゃれな男子はコンパクトなカバンを手で持つ」みたいなコメントしてたくせに、サコッシュが流行った途端に「手で持つ不便さがなくなる」って書いてあったので、ますます誰かが作った流行りに振り回される生き方は嫌だなって思いました。
バッグインバッグ
SALASUSUの別売りのバッグの中で固定ができるようにスナップがついています。
ぼくは、ショルダーストラップをつけずに、メインのバッグに入れておくバッグインバッグスタイルにしました。

入れているものはこんな感じで、主にパソコン仕事の際に使いたいアイテムをまとめています。
まとめ
ということで、リスペクトを持ちながらも、あまり使わないようにしてきたカンボジア発のブランドたち。今回はSALASUSUの魅力溢れる商品に触れたことで、今後もいろんな「カンボジア発」がこのサイトからもお届けできたらいいなと思います。
本当の意味で出会いとなった今回のトラベルサコッシュは、サイズ感、質感ともに絶妙でした。ぼくはネイビーを選びましたが、この色合いもまた個人的にドストライク。長いお付き合いになるといいですね。
「そんな魅力を語られても、どうせカンボジアでしか買えないんでしょ?」
と思った方は、こちらをご覧になってみてください。
よくある東南アジアのお土産とは訳が違うので、バレンタインのプレゼントに困っていたお父さんは奥さんに買ってあげてください。絶対喜ばれますよ。
そんな感じで。
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