
2016年最大のイベント、みらいスクールの開校式が終わって日本へ帰って来ました。
改めて開校式に来てくれた皆さん、ご協力いただいた皆さん、いつも応援してくれている皆さん、ありがとうございました。

カンボジアに小学校を建設するって決めた時、もし実現できればその先の未来には夢や希望が溢れていると思っていました。
今までなかったものがそこにできて、学校に通えなかった子ども達が学校へ通うことへの無限の可能性ばかりを感じていたんです。
自分勝手に。
学校建設が終わって校舎が完成すると、今度はいろんな不安を感じるようになりました。
今までになかったモノがそこにできたことで、今までにない生活が始まり、村の生活リズムは少しずつ変わっていく。
「カンボジアに小学校を建設したことは本当に良かったんだろうか?」とさえ思ったこともあります。
開校式、そして、授業が始まってから、学校には笑顔が溢れている。
大人も子どもも。

今まで響かなかった元気一杯の声が、教室に響き渡り、校舎の外まで聞こえて来る。
この笑顔を絶対絶やしたくないと思ったので、開校式を終えて学校が始まった今だからこそ考えるべき「本当の国際協力とは何か?」を自分なりにまとめてみました。
国際協力とは何か?を考えてみる
協力することは自分がやりたいことをやるのではない
笑顔が溢れているからこそ、そこに人がいるからこそ、やって来たことに間違いがなかったのだと感じることができました。
ただ、教育の成果ってすぐに目に見えるものではないないので、ここからのやるべきこともこれまで以上に見通しを立てて、明確にしなくてはいけません。
ぼくはみらいスクールの一期生の子ども達が、20歳になる頃を一つの基準として見据えています。

今はまだ通じなくてもいい。わからなくてもいい。
ですが、それなりの歳になった時には話をしておきたいことがあります。
なぜ、ぼくがが日本人を大勢巻き込んで、カンボジアに小学校を建てたのか。
そこに来た人たちは何を見て、何を願ったのか。
人の力になれることの意味、お金の使い方など。
そうやって大人になった村っ子たちと、みらいスクールに携わってくれた人たちといつまでも笑って飯を食う。

そして、意思を引き継いで、村っ子達がもっと下の世代のために自分たちにできることは何かってことを考える土台を作りたいと思っています。
ですが、これはあくまでぼくの意志。
子ども達が今後どのように成長し、何を感じ、何を大切にして、どんなことに夢中になっていくのか?を見守りながら、その時々でベストだと思える選択をする必要があります。
村人の主張にだけ応えていくのも何か違うし、ぼくがやりたいことだけを推し進めるのも違う。
そこには一方通行ではない相互理解が必要になるのです。
現状の課題だけでなく未来の準備をしておくこと、それをイメージさせること
それから、そんな村っ子達の未来のための準備も必要になって来ます。
今目の前のことが一番大事でも、その場しのぎなやり方では本質的とは言えないからです。
また、問題や課題が見つかってからでは遅いので、あらゆる未来を想定して準備を始めていきます。
具体的には、
・大学に行きたい
・シェムリアップで働きたい
・一人暮らしをしたい
などの子ども達の進路にや将来の選択肢に関する部分の準備に重きを置いています。
このような想いが子ども達の心から出た時に「お金がないから諦める」とは言わせたくないから、教育(学校教育だけでなく)を通じて学んだことを自分の未来を切り開く原動力にするためのお手伝いを行っていこうという考えにまとまりました。
何かこちらのアイディアやノウハウを取り入れる時は、その先の未来をイメージさせる必要があります。
どれだけこちらに勝算があると思っても、相手がそれを理解できなければ考え方や価値観を受け入れてもらうことは容易ではありません。
どれだけ相手のことを思った行動をしても、相手の受け取り方次第でその行動は善にも悪にもなると言うことです。
具体的な関わり方とぼくらが考える協力
課外授業を用いた想像力・創造力の育成
みらいスクールに関しては、授業街の時間を活用し興味関心のある子ども達を集めてアートの時間を取り入れて行きます。
具体的な教授方法は今後さらに具体的にしてきますが、簡単に言うと子ども達が描いた絵を元に商品を開発するお手伝いをして、その販売によって得た収益を子ども達の未来のためにプール(貯金)しておくといった流れです。
ただ「カンボジアの子ども達が描いた絵です」とか「これを買ってもらうと子ども達〇〇人がご飯を食べれて」みたいなよくある手法は、同情を誘ったような感じに思えてしまうので、個人的には好きではありません。
子ども達を使った商法なんて絶対やりたくないので、描いた絵をそのまま売るのではなく、その絵を元に別の商品を生み出します。
(現時点でシルバーのネックレスを作ることは確定)
本当に手に取りたいと思えるもの、手にとって大切な誰かを思い返せるようなもの。
それほどこだわった商品を開発していきます。
長期・中期・短期ごとの目標と目安を持つ
このような未来の実現のために、やるべきことはたくさんあるのですが、まずは6年後のみらいスクール一期生の卒業式を目標にしています。
上記で書いた「子ども達が20歳になる頃には…」って話は長期的目標ですが、そこに行きつく為に短期、中期の目標を立て確実に達成していくことが求められます。
みらいスクールで勉強した子達が卒業し、遠くの中学校へ進学してもちゃんと毎日通うことができるように、卒業式で自転車を送りたいなって思っています。
そしてそれを寄付で賄うのではなく、自分たちが頑張って勉強した(課外授業のアートの時間)成果として自転車という形を返せるように。
そんな関わり方をして行こうと思っています。
同じ目線で話せる仲間と手を取ること
具体的な話はまた随時アップして行きますが、カンボジアの子ども達が自分たちの未来を自分たちで切り拓くためのお手伝い。
ぼくのみらいスクールとの関わり方はそんな感じになりそうです。
そして、これまで団体や法人にせず個人プレーで突っ走って来ましたが、個人でやれること、個人ではやりきれないことも少しずつ見えて来て、カンボジアで出逢った後藤勇太と手を組むことになりました。

実の兄弟のような勇太と、同じ未来が描けたこと、お互いの大切を自然と大切に思えたことが始まりでした。
勇太もカンボジアでは個人で走って来た男。
個人でやって来た二人が手を取り合ったら1+1=必ずしも2ではないことをこれから証明して行きます。
ぼくが関わっていくみらいスクールには勇太も、勇太が関わっているソック孤児院にはぼくも関わっていく。
そしてその二つをメインに、ソチアというカンボジア人が運営するフリースクールやゴミ拾いをしながら暮らすスラムの子ども達まで、一緒に未来を描けるようにしていきたいという、共通のその先の未来の目標ができました。
今回の商品開発は、そんな勇太との共同企画。
勇太がぼくに話してくれたテーマは「未来」でした。
子ども達に何かを作らせて売ったり、産業を興して雇用を生み出して・・・
そういった手法ではなく、ぼくらがやろうとすることは、あくまで教育に寄って生み出される想像力の商品化と販売。
あれしろ、これしろって言わないで、子ども達の可能性を具現化して、ぼくらのスキルで販売するお手伝い。
共に描く未来、子ども達と一緒になって創る未来。
30歳の挑戦がはじまります。
▼ぼくらが取り扱っているシルバーのアクセサリーはこちらから購入できます。
https://miraikhmer.official.ec/
まとめ
カンボジアに小学校を建設しようと思った時、建設後のことはイメージはできても、実際にはそのイメージをはるかに超えた現実が待っていました。
思いもしなかったことの連続で、選択肢や決断の場面が増えれば、それだけ迷いも生じます。
ですが、こういう国際協力(ぼくらはそう思っていませんがわかりやすく言うと)みたいなことも含めて、人生の中でせっかく時間を使って行うことは苦しんでやるより楽しんでやった方がいいに決まっていますよね。
だから判断基準は、心がときめくかどうか。
そこにはもちろん相手のことを思う気持ちがあってこそですが、一方通行の勝手な思いやりがいらないお節介にならないようにだけは気をつけたいと思います。
その勘違いな優しさが、時に誰かを傷つけることにもなるので。
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