我が家は幸いなことに小さい頃から「いっぱい食べなさい」という食文化の中で育ってきました。
「貧乏」を味わったことで食に対する我慢を知っている両親や祖父母はおそらく、ぼくに同じ思いをさせまいと「遠慮しないで食べなさい」という意味で言ってくれていたのかもしれない。ありがたい。その影響もあってか、ずっとお腹いっぱいになるまで食べてきました。
そしてそれを幸せと感じて疑わず生きてきましたが、ある日にふと疑問が湧きました。文字通りお腹いっぱい食べることは本当に幸せなことなのか。
結論を先に言うと、最近やめてよかった生活習慣の中に「お腹いっぱいまで食べる」というものがあります。これが非常に良かったのでシェアしたいと思い、記事にしました。毎回食べ過ぎてしまう人、食欲が暴走している人、食べるのが好きな人などの役に立てましたら嬉しいです。
お腹いっぱいになるまで食べていた過去
昔はお腹がはち切れるんじゃないかってくらい食べていました。毎食満腹。もう食えねぇってなるまで食べないと満足できませんでした。多分ですが満腹中枢がバグってたんだと思います。
一食食べ終えて十分なカロリーと栄養を摂取しているはずなのに、
- まだ食べられそう
- お腹には少しキテるのに目は食べたいと思ってしまう
- 食後にまたすぐにお腹空いたらもったいない
- (外食の場合特に)このお店次いつ来れるかわからない
こう言った思考から「まだ満足していないのではないか」という懐疑が生まれ、その埋め合わせを胃に食べ物を突っ込む量でまかなってきました。
お腹一杯になるまで食べてても消費できた運動部時代
胃袋がアホみたいに大きくなった原因はおそらく学生時代。野球の練習の消費エネルギーが莫大なため、食べても食べても太れなかったこともあり、トレーニングの一環として体を大きくするためにとにかく食べまくりました。一食で米三合とか平気で食ってた。
野球をやっている時代はこれで良かったのですが、身についてしまった食習慣は野球を引退した後も変わることはありませんでした。大盛りにすることがスタンダードになっており、一回の食事の満足度は満腹具合で図っていたと言っても過言ではない。炭水化物 on 炭水化物とか至福。
お腹いっぱい食べるのやめた原因
お腹一杯になるまで食べていると
- 食後に動けない
- 極度の眠気
- 集中力でない
といった影響が出ていることに気がつきました。特にランチ後にこういった症状は最悪で、午後の仕事の集中力取り返すのにかなりの時間がかかり、その間の作業効率や集中力は非常に低い。おいしいものを好きなだけ食べたその瞬間は幸せなのに、食後が地獄でした。
あと食事と食事の間に空腹感を感じることがないなという気づきもありました。お腹は鳴らないし「腹減ったな」って感覚もないのですが、時間になったからまたご飯食べるみたいな。
夜ご飯の時間が遅めになった日にガツンと食べまくって、食後から睡眠までの時間が短いまま朝を迎えるともれなく胃もたれみたいな感覚があるし、朝になってもお腹空いていない。
これが健康的な食生活な訳がないと実感。
管理栄養士の彼女に相談したところ「私はお腹一杯になるまで食べない方が幸せ」という価値観をいただきましたので実践してみることにしました。
お腹いっぱい食べることをやめた
お腹いっぱい食べないために二つのことに気をつけました。
- 見た目の量を減らす
- ゆっくり食べる
画像はいつかの夕食です。
見た目の量を減らす
この記事でも書いてあるように、見た目を3割減にしました。3割と言うのはテキトーで完全なる主観です。測っていません。「いつもよりちょっと減らそう」で大丈夫。
見た目を減らしたことで
- 大盛りにならない
- おかわりをしない
という副次的効果も得られました。
ゆっくり食べる
ぼくは早食いの種族に属すと思います。こうなったのも学生時代の部活中の影響。ゆっくり食べているとお腹いっぱいになってしまってたくさん食べられなかったので、とにかく早く多くの量を食べることをしてきました。
これを逆手にとってゆっくり食べれば、満腹を感じやすくなるのでは?と言う考えです。
- ひと口を小さく
- よく噛む
- 二人以上で食べる時は相手より遅く食べ終わる
ということを意識して食べました。
「お腹いっぱい食べる」をやめた直後
最初は口が寂しいです。まだ食べられる…お腹いっぱいになっていない…とゾンビのような足取りで何度も冷蔵庫へ。誘惑に負けそうになったところで管理栄養士の先生が言います。
「食べたきゃ食べたらいいじゃん」
この言葉でいつも我に返る。
「今」お腹いっぱい食べたいのか?
それとも、「いつまでも」自分の歯でおいしい物を食べられる状態でありたいのか?
ぼくは後者でした。一時の快楽に負けて後々後悔するような道を選ぶのはやめよう。今おいしい物をいっぱい食べるよりも、いつまでもおいしいものを食べられる体でありたい。そのために「ほどほど」を知ろう。いい大人です。
「お腹いっぱい食べる」をやめたその後の変化
お腹いっぱいまで食べることをやめてずいぶん経ちますが、気づきや変化としては以下の通り。
- 夜寝ているとお腹が鳴る
- ご飯の時間だから食べるではなくちゃんとお腹が空いたので食べたいという実感がある
- たくさん食べなくても「お腹いっぱいになる」を感じるようになる
- 少ない量でも満足できるようになる
- 朝の胃もたれがない
- むしろお腹が空いて目が覚めたりする
- 食後の集中力が著しく低下しない
- 食べてすぐ動けないことがない
- 数字や見た目に現れる
- 疲れにくい気がする
- 汗が臭くなりにくい気がする
という感じでいいことばかりでした。
おそらく慣れの問題です。今までは大量摂取により幸福度や満足度を高めていたので、量を急に減らすと最初は物足りなさを顕著に感じます。その期間はもっと食べたいという思いからストレスや苦痛をかんじたりするかもしれませんが、継続したら慣れます。
生活習慣を変えたことで、体は徐々に変化します。それが嬉しくなると、お腹いっぱいまで食べたいと思わなくなります。むしろ「お腹いっぱい食べたら後悔しそう」「お腹一杯になりたくない」とさえ思えるレベル。
気づけばぼくの幸福の価値観は完全に覆されていました。
まとめ
食べる物が限られていたり、みんなで分け合って生き延びていた時代にお腹いっぱい食べると言うことがどれほど幸せなことだったかは想像できます。しかし現代のような、食べることに困らない環境の中では「ほどほどを知る」と言うことが大切なのだと思いました。
最近はほぼ自炊で食事内容や量をコントロールしており非常にいい感じ。白米専用の保存容器を買ったことで一膳分のお米を偏りなく食べられるのもいい。
自分の意思では量をコントロールできない人、体を変えたいけど何を食べていいかわからない人、栄養計算ができない人、多忙すぎて食事に気を配れない人は一度バランスの良い食事を注文してみて、できる範囲から取り組んでみてはいかがでしょうか。
食べるのが好きな人ほど、食べ過ぎない幸せを実感してほしい。空腹を感じる食生活は人生が充実する。