カンボジアで働いていて感じる不思議は1ドルの差。
他より1ドル高いだけでぼったくりくらいに言われたりもする。
一方で1ドル値引きしても、たった1ドル?的な感じがある。変な感覚の消費者多いと思う。
— 北川勇介@シェムリアップでこだわりのカレーとコーヒー (@yusukeworld_) 2018年8月29日
カンボジアで働いていて感じる不思議は1ドルの差。
他より1ドル高いだけでぼったくりくらいに言われたりもする。
一方で1ドル値引きしても、たった1ドル?的な感じがある。
変な感覚の消費者多いと思う。
現在、カンボジアのシェムリアップという街でカレーとコーヒーとチーズケーキのお店(@basecamp_sr)やってます。
カンボジアに来るようになってから6年目くらい。
カンボジアは何でもかんでも物価が安い国ではありません
ご来店いただいたお客さんにはよく聞かれることでもあるのが
「なんでカンボジアに住んでいるんですか?」
「なんでカンボジアで仕事しようと思ったんですか?」
というもの。
そう言った話をしていくと必ず、「カンボジアで実際に生活してみてどうですか?」という話に行き着きます。
カンボジアは物価が安い国と思われがちです。
確かに、屋台で食べるご飯は$1〜$2くらいだし、ビールは$0.5で飲めるし、ゲストハウスのドミトリーとか$5で泊まれたりもします。
ですが、それは一部の事実であって、何でもかんでも安い国ではありません。
例えば、観光地として有名なオールドマーケット。
そこでは、旅行客が「値切り」ながら、時には「高すぎだろ!ぼったくり!」と言いながら、買い物をしています。
では、そこでお店を出そうとしたら、家賃はいくらくらいでしょうか?
「カンボジアなんだから土地も家賃も安いんでしょ?」
は、大きな間違いです。
日本で物件借りるのと変わらないと思った方がいいです。
物価が安い国で働くことと暮らすことのすれ違い
旅行などで訪れて、その国が好きになって、後々住み着いて、ということも聞きます。
ですが、そこで暮らすとなった時に突きつけられるのは、「物価が安いと言われる国での生活は意外と安くない」という現実です。
物価が安いというイメージを持つことは自由ですが、そのようなイメージを持たれている国でビジネスをして、自分で食って行く、というのは想像以上に簡単ではないですよ。
だって、固定費は決して安くないのに、求められるのは低価格だったりするのです。
我慢をしてまでできますか?
そういうと、「$100以下の家に暮らして、1日の食費を500円以内に抑えればすごく安く済ませられますよ?」と言い出す変な人がいます。
そりゃそうかもしれないですが、そんな生活望みますか?
$1の屋台のご飯が食べたくなる時もあるけど、毎日それしか食べられないって精神衛生上、とてもよくないと思います。
食べたいか、それしか食べられないか、では現状が全然違います。
本当は食べたいもの(やりたいこと)がある、だけど我慢!
そこまでして、物価が安いと言われる国で生活したい理由はなんでしょうか?
価格を抑える代わりに質も抑えたらいいか?
世に溢れた既製のものの中から、流行りそうなものをかいつまんで売るのもビジネスの1つかもしれないけど、それはそれで簡単そうに見えながら勝手にハードル上げているということ。
ラーメンとか寿司とかお好み焼きとか無性に食べたくなるけど、美味しくないそれは食べたくない。どれだけ安くても。— 北川勇介@シェムリアップでこだわりのカレーとコーヒー (@yusukeworld_) 2018年8月30日
一食の予算が$1〜$3程度の人には、うちの店は高いと言われます。
一番安いランチメニューでも$6なので、価格差だけ見たら確かに高いです。
ですが、使っているものややっていることが違うので、同じ価格で全てのお店が揃えるなんて不可能です。
ウチは海外から運んできた出来合いのものもないし、 お湯に入れるだけ、何かと和えるだけ、みたいな簡単にできるものはありません。
そして、コストを抑えるためなら何でもやる店ではないです。
なぜなら、自分たちが口に入れたくないものは使いたくないので。
売れりゃ何でも売る店ではありません。
そうなると自然とコストはかかります。
流行りそうなもの、求められていそうなものを売る。
ビジネスとしては確かに大事かもしれません。
砂漠で水を売る、ではありませんが、本当に求められている場所では何だって売れると思います。
でも、やるならハイクオリティの物を提供したいし、値段と質がマッチしているサービスにお金を払いたいです。
安いからいいだろ。
海外だから仕方がない。
海外で日本クオリティは出せない。
と言うのなら、やるべきではないと思います。
場所が変われば質も変わる、ではなく、日々の中で質が進化していくことが大切なのだとぼくは思います。
自分がどんなサービスを求めているか?が自分の出すサービスであると、ぼくは信じています。
まとめ
最近、「カンボジアでお店をやりたい」という話をしにきたお客さんたちと話した内容をまとめました。
やる前に知っておいた方がいい事実なので、ぼくらが実際にやってみたことは積極的にシェアします。
繰り返しになりますが、ぼくらは見た目の値段が安ければいいかって思いはありません。
「$1ならいいか」っていう価格で妥協できること自体が、貧しい発想だからです。
値段の差には必ず理由があります。
賞味期限が切れたもの、ギリギリのもの、傷みかけの食材、〇〇の素みたいな化学調味料などを安く仕入れていれば、安く出せるかもしれませんが、その時点で飲食店としての意地も誇りも手放すのだと思います。
自分の味くらい、自分の手で出せなかったら。
ぼくらは自分たちが好きなこの街で、好きなものだけを詰め込んだ空間を作って、人が集まってきやすい空間を作っています。
自分たちが愛せるもの、自分たちの手で作ったものにこだわって、そこに集まってきた人たちを大切にできるように。
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