一年間に三度のお正月があるめでたい国カンボジア。しかも一月、二月、四月と割と年の序盤で三回のお正月というとっておきの手札を使い切ります。大富豪でエース、2、ジョーカーなどのカードを惜しげも無く使う感覚。
今月は今年最後のお正月で、最もカンボジアで重きを置かれているクメール正月。この時期はみんな仕事を休んで、実家に帰ったり、泥酔したり、水を掛け合ったり、二階からベビーパウダーが降ってきたりと、とにかく年間で一番カンボジア人が楽しみにしている時期と言っても過言ではありません。本来なら。
カンボジアのお正月2020
2020年4月のクメール正月期間はコロナの拡大感染予防のため
- 州間の移動を禁止
- 企業は休みを取らないで働く
- 会社員も休まず働く
- 休んだ場合は無給&自己負担で隔離
といった規制が敷かれました。「クメール正月を国民から取り上げたら大規模な一揆やデモが起こるのでは?」と一瞬不安になりましたがそんなことはなくとても静かなお正月。そのおかげかわかりませんが、連休明けも新たな感染被害者の報告はほぼ上がってきません。
「そのかわりこのコロナが落ち着いたら国民のみなさんには5連休を支給するからね〜今は大人しく暮らしましょう」といった趣旨の政府の対策が見事に功を奏しました。
ぼくらのカンボジア正月2020
ということでなんの前振りもなく我が家のお正月の過ごし方を紹介するコーナーです。
当初の計画:国外脱出
こういった騒動が起きない通常のクメール正月期間であれば、街のそこら中で水を掛け合う騒ぎの日々。安心して夜も眠れないのでカンボジア以外の国へ旅行に行こうと思っていたのに断念。全部コロナのせいだ。
ちなみに昨年はベトナム・ダナンへ行きました。
第二案:シェムリアップでホテル暮らし
旅行ができない情勢では仕方がない。けど今更働く気にはなれないのでお店は休む。休むなら何かしたい。
ぼく「シェムリアップのちょっといい感じのホテルを予約して引きこもりませんk…」
彼女「賛成!!!」
ということでいつもの街でプチリッチするつもりでした。見返したら4月は毎年ホテル泊まってた。
現実:自宅引きこもり
で、宿泊前日にワクワクしながら準備していたら「せっかくならアーリーチェックインしたくない?いい部屋とったし元取るくらい遊びつくそう」と思いついてホテルへ連絡。すると「昨日から7月までクローズすることになりました」と返信が来て強制的に自宅引きこもりが決定。
ちなみに泊まろうとしていたホテルはTemplation Hotelというところ。プライベートプールがあって完全に引きこもるつもりで予約したのに残念。スタッフが優しくて部屋の案内をしてくれましたので「必ずまたここに戻ってくるぞ」と選抜で負けた高校球児が甲子園球場を見つめるようにしっかり目に焼き付けてイメージ。世の中が落ち着いたら泊まりにきます。何事も目標達成の一歩目は具体的な目標と鮮明なイメージが大切。
ということで切り替えて自宅でできることを全力で楽しむことに。創意工夫を凝らして欲に忠実に生きた結果、見事大成功しました。
8時間かけて仕込んでおいた豚骨スープで家系風ラーメンを作って昼からハイボールで泥酔した日。
牛タンを自宅でさばいてベランダBBQした日。
その勢いでアスパラベーコン。
残されたタン先がカレーと一緒に煮込まれて登場した日。
テンション上がる朝ごはんの日。
お庭 DE もんじゃ やDAY。
ヘラはフライパンが傷つかないナイロン製のものを百均で購入。
とろサーモンの漬け丼。お寿司屋さんのまかないランチみたいな味がした。簡単に優勝。
「お昼何食べたい?」と聞かれて何も考えずに頭に浮かんだ「ナポリタンとかっぱ巻き」という謎の組み合わせをリクエストした日。
酢飯はおいしい。
大量にお裾分けされたマンゴー。
甘くておいしい。そのまま食べたり、スムージーにしたり、ジャムにしたり、ケーキにしたり、マンゴーパラダイスな日々。
連休最後の夕食は鍋。最近、鶏の骨から錬成するチキンスープにはまっているのでベースは鶏。
アンコールマーケットで8.5ドルで売られているうどんを鍋の〆に。「カトキチのうどん、海外だしさすがいい値段するよね!でも食べたい!」と思って買ったのに、家に帰ってから「これ、カトキチ風では?」という疑惑が浮上。味はおいしかったです。
あと最近はアサヒのスーパードライにハマっています。以前カンボジアで飲んだ際に「あんまりおいしくないぞ」と思ったので避けていましたが「生」って書いてある小ビンではなく「辛口」って書いてある大ビンがうまいという知見を得られましたのでシェアします。
ちなみにグラスは冷凍庫でキンキンに凍らせておいて、ビールは半分だけ注ぐようにすると飲もうとして傾けた時に凍っているグラスの上を通ったビールがさらに冷やされてうまい!!!というライフハックもおすすめ。
まとめ
ということで当初の計画から二転三転ありましたが結果的に「クメール正月は静かに過ごしたい」というぼくの希望通りになった2020年のカンボジアのお正月。今年も世の中はぼくを中心に動いています。
途中も書いたように、コロナが収束したらカンボジアでは別で5連休が与えられる予定。今回騒げなかった分、賑やかになるかもしれないのでその頃には再び国外旅行の計画を企てたいと思います。それまでは引き続き、快適な自宅で二人と一匹のおだやかな日々を過ごしていく所存です。ミニスーファミに入っている「パネルでポン」、地味に彼女が強いの悔しいので自主練します。