3年間に渡って繰り広げられたカンボジアの小学校建設プロジェクト。
「ぶっちゃけいくらかかったのさ?」なんて質問用に3年間で費やした費用をまとめてみました。
ぼくがカンボジアに学校を建設するって決めた時、大枠でいくら〜みたいな情報を持っている人はいましたが、結局何にいくら必要なのかって情報はなかった。
探しているものは全然ネットにはなかった。
なので書きました。
今後、カンボジアやその他の国で学校建設を考えている方々への参考になりましたら幸いです。
※この記事では、カンボジアの小学校建設にかかった費用についてまとめています。
始まりから現在に至る全ての活動を網羅的にまとめた記事は以下をご覧ください。
→カンボジア小学校建設の活動の始まりから開校後までの全て
カンボジアに建設した小学校に関する費用のまとめ
何にいくらかかったか詳細を見て行きましょう。
校舎 $28,500
メインの小学校建設費用です。7×8mの教室が3教室、2×24mの通路という設計になっています。
資材費や大工さんの労働費込みの値段です。
(2016年3月19日工事終了)
トイレ $2,000
男女一部屋ずつのトイレを設置しました。こちらも資材費や大工さんの労働費込みです。
(2016年8月18日工事終了)
貯水タンク $470
トイレに併設して貯水タンクを設置しました。こちらも資材費や大工さんの労働費込みです。
(2016年8月18日工事終了)
井戸 $1,470(5つ分)
これまで合計5基の井戸を掘りました。こちらも資材費や大工さんの労働費込みです。
1号機 2014年2月
ロンデン村に初めて掘った井戸。
2号機 2014年10月
大学時代の友人将太が来てくれました。
3号機 2014年10月
一気に3個の井戸を掘りました。
4号機 2014年10月
5号機 2015年8月(静岡県立佐久間高等学校寄贈)
静岡県立佐久間高校の生徒会中心となって、文化祭で行った募金活動のお金をお預かりして井戸を掘りました。
5号基の佐久間井戸改修 2017年8月
そして、その2年後。
募金をしてくれた佐久間高校のOBたちが、壊れてしまった井戸を自分たちの手で直しにきてくれました。
道 $0
Before
After
村の一本道から学校建設予定地まで道がなかったのでハンドメイドしました。ハンドメイドなのでタダです。
(2015年4月完成)
黒板 $150
黒板、机椅子は組田様、酒井様が中心となってご寄付をいただきました。各教室の前後に設置しました。
$25×6枚
机・椅子(生徒用) $2,400
2人がけの机椅子のセットを、各教室に20セット搬入しました。
$40×60セット
机椅子(教師用) $150
各教室に1セットずつ搬入しました。
$50×3セット
また、この机・椅子・黒板をめぐっては、トイレ建設を手伝ってくれた悠が周囲の皆様へ呼びかけをしていただき支援金が集まりました。組田様からいただいたお金と合わせて、余剰分は今後必要なものが出た際に学校のために使わせていただきました。
机・椅子(屋外用) $600
学校建設中にしゅういちが憩いの場を作りたいということで、こちらも仲間に呼びかけていただき、屋外用の机椅子を設置しました。
背もたれには、ご支援くださったしゅういちの仲間達のお名前入り(しゅういち自ら書きました)です。
$150×4セット
本棚・ロッカー $315
開校式に参加していただいた皆様のご厚意によって、開校記念品として本棚とロッカーを買っていただきました。
本棚は各教室に1個ずつ、ロッカーは文房具などを保管しておくために鍵付きのものを真ん中の教室(ほし)に設置しました。
本棚$45×3セット、ロッカー$180
カンボジアに建設した小学校の開校式(2016.10.29) $859
2016年10月29日に行われた開校式の費用です。
村人、日本人参加者合わせて約270名ほどが参加。
皆様にお世話になりすぎているので、感謝の気持ちを込めて、ポケットマネーでお支払いさせていただきました。
10万円くらいで270人で笑ってご飯食べられたら最高ですね。
内訳は以下です。
テント、机椅子など $162
運動会とかで見かけるようなテントを校庭に張って、食事用の椅子と机を並べました。
音響 $30
スピーカーやマイクなど、セレモニーで必要な音響を揃えました。
食費 $199(BBQ用野菜、焼きそば、ジュース、氷、調味料など)
270人分の買い出し。
食費(外注分) $213(ご協力元:OHANA YOKOHAMA FLAT けんちゃんスイーツ)
カンボジアのシェムリアップでお店をやっている日本人達から、ケータリングという形で購入。
YOKOHAMAのげんちゃん、OHANAのじゅんちゃんは当日学校まで来て調理もしてくれました。
食費(豚一頭) $130
人生で初めて豚を一頭買いました。ちなみにこうやって運ばれて来ます。
皿、コップ、スプーン、フォークなど $45
食事をするための使い捨てのコップや紙皿など。
通訳 $80(4名)
破格です。「ユスケがカンボジアの子ども達のためにやってくれたことだから」と、英語が話せるカンボジア人4名が1日$20で協力してくれました。通訳だけでなく調理などの準備も一緒にやてくれて感謝。
海外で活動するなら第二外国語まで習得できるといいですが、まずはやっぱり英語力を身に付けておくべきだと思いました。
協賛品
いつもお世話になっているThe City Premium Guest House(@city_guesthouse)からは水600本のご提供をいただきました。
カンボジアの小学校建設に関する総額 $36,914
円高、円安の関係あると思いますが、大体日本円で400万円くらいでしょうか。
一番お金がかかった校舎建設の時が一番円安で$1=126円とかだった記憶があります。
費用に関しては高い・安いの話がしたいのではないです。(カンボジアにいるとすぐ高い安いの話になるので・・・。)
自分が納得して支払えるかだと思います。
安く叩けばもっと安くなるのかもしれませんが、それによって質も下がってしまっては元も子もないです。
もっとお得にやっている人もいれば、もっとかかっている人もいると思います。
あと、書いていませんがこれ以外に現地での滞在費や、交通費、ガイド(通訳)を雇えばガイド代もかかってきます。
ぼくはバイク買ったので、そのお金と維持費もかかります。
毎日のことだったので計算していませんが。
手続きとかの代行サービスに頼むともっとかかるかもしれませんね。
それから都心と田舎では価格も少し変わってきます。
もちろん都心の方がものは揃いやすいですが配送料がかかったり、田舎の方だと取り寄せるのに注文してから時間かかるとかってこともありました。
カンボジアの小学校建設でその他にご協力いただいたもの
実はここにも書ききれないものがいくつもあります。
ゴミ箱
学校建設中にゴミをポイポイ捨てるカンボジア人を見かねて、しゅういち・まいこがゴミ箱買ってくれたり。
トング、ちりとり
ゴミ拾うのに前田さんが掃除用品買ってくれたり。
サッカーゴールネット
サッカーゴールは颯太と翼が買ってくれたもの。
サッカーボール
サッカーボールはメグが買ってくれたもの。
バレーボールネット
バレーボールネットは静岡県立浜名高等学校バレーボール部からいただいたもの。
植物
学校に吊るされてる植物はまいこが買ってくれたもの。
絵
室内に飾ってる絵はソチアたちサーカスメンバーからの贈り物。
文房具(記念品として配布)
開校式に行けないからと、勇太が大人買いしてくれたノート。
こうやってみると、多くの人に支えられてきたことを再度実感します。
まとめ
さて、ぶっちゃけいくらかかったの?ってことで、学校建設に関する費用をまとめてみました。
実際、多くの方の支えの元に成り立っているので、隠すものでもないしオープンにできるお金の使い方をこれからもしたいですね。
そして、途中も書いたように、物価が安い国にいるとすぐ値下げすることを考えたりする人もいるようですが、そもそも支払いは自分が納得できればいいのだと思います。
なので、この金額を見てどう思うかは、見た人次第です。
この値段より安くやったからいいとか、高かったからダメとかないです。
最近ぼくは、カンボジア人に何か仕事を依頼したら、値段交渉をせずに言われた金額を支払うようにしています。
むしろ「いくら?」って聞くと「Up to you.」って言われることが多いです。
もしかしたら、ぼくと彼らの信頼の中でこそ成り立つことなのかもしれません。
たまに「いらない」って言われます。(もちろん払いますが)
東南アジアは「ぼったくられる」ってイメージが強い人多いかもしれませんが、そういう人もいるってだけのことです。
日本だってぼったくりはいますしね。
それは事実の一つであって全部ではないです。
今後この記事が、同じように『学校を建てる』という行動を起こす人たちの参考になったら嬉しいです。
それから、どうせ誰かのために時間もお金も使うなら、こういう情報をもっといろんな団体がクリアにしていった方が、後々何かをしようと思っている人たちへの情報としてはかなり有益だと思います。
ぼくも書ききれていない部分あるかもしれませんが、なるべく出し切りました。
お金の流れが明確なことが、このような活動に身を置く一人としては一番信用得られるのかもしれないです。
そんな感じで。
カンボジアで活動するようになってから読んだ本
Flight to Cambodia
安心安全でお得な航空券をここから検索できます!
北川さんへ、
自分は「僕たちは世界を帰ることができない。」という、映画を見てカンボジアの小学校建設に興味をもち、このサイトを見つけ、コメントしています。今までカンボジアという言葉はよく聞いていたのですが、内情やどういう国なのか全く知りませんでした。ですが、映画とこの記事をきっかけに、カンボジアについてもっと知りたくなりました。とりあえずカンボジアに行ってみたいと思います。
コメントありがとうございます!
カンボジアいいとこですよ!自分に何ができるかなんて深いこと考えずに、気軽に遊びに来てみてください。
はじめまして北川さん
僕は知り合いと一緒に海外で学校を作る
プロジェクトを準備しています。
質問なんですが
学校を作る地域はどのように決めたか教えてください。
参考にしたいと思ってます。
TwitterでDMいただいた方ですよね?
ご返信した通りですので、ここでのコメントは控えさせていただきます。
また何かありましたらいつでもどうぞ。
こんばんは。今年受験の高校三年生です。ずっと教師になることを夢見て勉強してきましたが、最近になって自分の本当にやりたいことが分からなくなっていました。そして、いろいろなことを調べていく上で次第に私の本当にやりたいことはこれ(海外ボランティア)なんじゃないかと思うようになりました。貧しい国の子たちのために学校を作って、そこで授業をする。まさに憧れです。でもやっぱり、費用の面で学生の私にはとても難しいなと、、。大学に入ってから学生団体を立ち上げて、ボランティア活動の一環として募金をする、バイトして個人でお金を貯める、学校を建てることは難しくても各家庭を回って家庭教師をする、、いろいろ思いつくことを考えましたが、どれも現実的ではないような気がして。。北川さんは今回の費用をどのようにして工面しましたか?また、現地での収入はどうしていましたか?どんな形でもいいからこういった活動に直接関わりたい、現地の子供達を助けたいっていう、この衝動に任せて行動しようっていうのは浅はかなのでしょうか…?
リノさん はじめまして。コメントありがとうございます。
まず端的に質問にお答えしますと
・今回の費用の工面…こちらの記事こちらの記事をどうぞ
・現地での収入…このブログを中心に複数のサイト運営をして収益を出しています
・衝動に任せた行動は浅はかでしょうか?…浅はかではないと思いますし素敵な志だと思います。考慮しておいた方がいいのは、自分の生活を自分で守れないと誰も救えないどころかその人たちを苦しませることにもなるということです。
これらを踏まえて少し補足させていただくと、私自身は学校を建設しましたがそこで教師はしていません。なぜなら建設した学校は公立の小学校として国が管理し国によって運営されているため私の所有物ではないからです。しかし教育省の方々との連携により、休日期間に校舎利用許可をもらい、希望者を募って日本語を教えたりスポーツをしたりしています。これはもちろん無給です。
学生だからといって遠慮することはないけど、自分ができることの幅を知るってのは大切なことだと思います。いきなり全てを自分の力でできなくても自分の志に近い団体や組織で活動を共にしたり、スタディーツアーなどで現地のことを自分の目で見るだけでもいいと思います。そして何かを救うためには力が必要です。この力のひとつは「知識」であり「技術」です。何かを始めても行きつまるところはだいたい「自分には何ができるか」と言う点です。そのために日々学びがあります。なので、興味のあることをなんでも、「できる範囲で」初めてみると言うのがいいと思います。
お答えになっていますかね?わからないこといっぱいあると思うので、聞きたいことあればなんでも答えますから気にせず聞いてくださいね。DMでも構いません。
そしてコロナが落ち着いたら、一度来てみてください。
こんにちは。現在大学3回生のものです。北川さんの学校建設の記事を読ませていただきました。開講式での写真での子どもたちの笑顔を見たときとても感銘を受けました。実は私自身もいつか海外に学校を建てたいと思っています。というのも私は国際ボランティアサークルに所属しており、東南アジアの国々を訪れたことがあるのですが、その際いつも感じるのが貧富の差です。東南アジアは生まれた家によって将来が決まってしまう節があるといつも感じています。その状況をどうにかしたい、すべての子どもたちに教育を届けたいという思いから学校建設をしてみたいという思いがあります。
そこで何点か質問をしたいです。
・なぜ学校建設をしようと思ったのかったのか?
・学校建設で大変だったこと、苦労したことはなにか?
・建設後の学校の運営はどうしているのか?
・通っている生徒の家庭環境や経済レベルはどのようなものなのか?
長文で申し訳ございません。いつでもいいので返信してくださるとうれしいです。
もりやりょうたさま
はじめまして。コメントありがとうございます。早速質問にお答えします。
・なぜ学校建設をしようと思ったか?
巡り合わせです。たまたま出会った村に小学校がなくて、学校に通いたい子どもたちと学校に通わせたい大人たちと出会ったからです。もともと建てたくてカンボジアへ行ったわけではないです。
・学校建設で大変だったこと、苦労したこと
建設前なら資金調達、建設中なら大工さんたちが契約書無視して資金を請求してきたり、途中でボイコットされたことです。
・建設後の学校運営はどうしているか
公立学校としての認可をいただきましたので国の所有物であり国が運営しています。ぼくはスタッフでも管理者でもないです。
・通っている生徒の家庭環境や経済レベルについて
人様の家庭のことなのでわかりません。家によって余裕がある家もあれば借金を抱えている家もあるのではないでしょうか。生活環境はカンボジアらしい高床の家であったり煉瓦造りの一軒家だったり様々です。
以上となります。
初めまして。僕は将来、カンボジアなどの発展途上のアジアに学校を建てたいと思いこのサイトに行き着きました。しかし、実際は治安などの面で不安を感じているのも事実です。ユウスケさんは滞在中に身の危険を感じたり、断念をしそうになったりしたことはありますか。
お答えいただけると幸いです。
ひかりさん、コメントありがとうございます。
一度だけ、財布をスられたことはありましたが今のところ、治安面で命に関わるような身の危険を感じたことはありません。交通面などでヒヤッとするシーンは何回も目撃しています。
シェムリアップに関しての治安や犯罪事例などは以下に詳細をまとめてありますので、よかったら参考にしてみてください。
https://yusukekitagawa.com/siemreap-security/
また、実際に住んでみた感想は以下でまとめています。
https://yusukekitagawa.com/livewell-cambodia/
初めまして。非常に興味深く貴重な体験記を有難うございます。
私は30代の社会人ですが、まさにカンボジア等の国へ学校を建てることが将来の夢でした。この記事を見て、夢が一気に現実的に感じました。まだ先の話になりますが、何か迷った際はまたこちらでご相談のコメントさせていただくかもしれません。貴重なブログ有難うございました。
Naokiさん
コメントありがとうございます。ぼくの体験と記事がお役に立ちましたら何よりです。
カンボジアの小学校建設に関してはいろいろと書いていますので、読んでもわからないことがあればなんでも聞いてください。
答えられることは全てお答えします。