以前、海外にいながらフルリモートで働く現状について「どうやっているか?」を記事にしました。
今回は、海外フルリモートで働くために大切にしている心構え的な部分を紹介したいと思います。海外フルリモートと一言で言っても、置かれている立場や取り組んでいる業務によって大きく異なります。
そのため「これが正解」と言ったものではないですが、より善く働くために自分なりに大切にしていることをまとめました。何かの参考になれば幸いです。
海外にいながらリモートワークで仕事を完結させるための要素
ぼくが実際に「大切だな」って感じているものは以下の通り。
1.わかりやすく文章にできるか?
リモートで働く以上、最も大切だと思う力が「わかりやすく説明できること」だと思う。直接会わない相手と、情報を正しく共有しなくては業務に支障が出るからです。
リモートワークの情報伝達手段は主に、文字か通話。通話にも音声とビデオ通話がありますが、いずれにせよ目的は情報を正しく共有することです。
情報を正しく共有するためには、書く力と話す力が重要になります。書く力・話す力が高い人とは、伝えるべき情報をわかりやすい言葉で伝えることができる人のことであると思う。この力が足りないと「伝わっていない」「わかってもらえない」「全然違う解釈をされた」という事態に陥ってしまう。
また情報を共有するためには、相手の言っていることを正しく理解する力も必要です。それは読む力と聞く力。しかし、この二つも結局は話す力・書く力なのだと思う。相手から受け取った情報を整理して「つまりこういうことですね」と簡潔に言えなくては、本当に正しく理解しているとは言えないからです。情報をきちんと読み取れないとリモートワークはうまくいかない。いや、リモートワークに限ったことではないか…。
2.耳触りのいい言葉で目標を誤魔化していないか
「最後まで自分たちらしく」「結果は後からついてくる」「とにかく頑張る」みたいな言葉が嫌いです。「自分たちらしく」とはどういう状態なのか?「ついてくる結果」はどうあってほしいのか?が不明確だからです。
頑張ることも大事です。というか頑張るなんてものは、もはや最低条件。頑張っているつもりで、ただ闇雲にやっても思い通りの結果は出ません。頑張るとは、やるべきことをきっちりとやることです。
やるべきではないことに時間と労力を使っていても、それは頑張っていません。そのためにはやるべきことを明確にしておかなくてはいけない。明確な行動計画は、明確な目標より生まれる。
3.たまの大きな挑戦よりも毎日の小さな継続しているか
大掛かりな企画や壮大なプロジェクトに取り組んでいる人を見ると、カッコいいなあスゴイなあと思います。だからと言って、自分も大きなことをやるぞ!とは思わなくなりました。結局大きいも小さいも大差なくて、見る人によって大小異なるからです。だからすご(いと言われ)そうなことを探して、身の丈に合わないことをやって、力む必要はないと思います。
それよりも誰にでもできる当たり前のことを、誰にもできないくらい徹底してやる。それを毎日続けることの方が、実は大変で偉大なことだったりします。積み上げた時間は、ごまかせないからです。そして大きなことをするためには、小さなことを疎かにしてはいけない。小さな仕事ができないヤツに、大きな仕事は頼まない。これは何年か前のカロリーメイトのCMでの一言です。
4.仕事道具を大切にし投資しているか
毎日使う道具は大切にする。基本中の基本。また、道具は一番いいものを使うというのも大切にしています。これは海外フルリモートの働き方の記事でも書いた部分と重複しますが、道具が中途半端だと「あの道具があれば俺はもっと…」という気持ちが生まれるからです。
道具はいいものを使うと、作業時間が短くなったり、できることが増えたりします。例えばぼくの場合、14インチのMacBook Proはメモリを64GBにしたことで、動画の書き出し処理が爆速になりました。今までかけていた時間の半分以下で同じ作業が終わるというのは、収入が上がること以上に素晴らしいことだと思う。
お金を払っても時間は買えないが、お金を払っていい道具を買えば使える時間が増えるのは事実。
5.時差を侮らない
ぼくが暮らしているカンボジアと日本の時差は2時間の時差があります。
2時間の時差など大したことないと思うかもしれません。感じ方は人それぞれなので否定はしませんが、個人的に2時間の時差は大きいと感じます。
例えば「明日朝8時からミーティングしましょう」と日本側から言われた場合、こちらの時間では朝6時。びっくりするほどの早起きではないですが、朝6時から仕事モードで頭も目も冴えているにはそれなりの早起きが必要。
また日本から移動した日も要注意。日本を出た日の23時にカンボジアに着いたとすれば、それは日本の深夜1時。なかなかの夜更かし。時差が何時間だとしても、集中できない時に仕事を入れるのはよくない。凡ミスが出る。
またこういった差を埋めるために隙間時間を活用するようにしている。仕事道具はなるべくミニマルにし、隙間時間でどこでも作業できるように工夫してあります。
6.オリジナルの体験と証があるか
これは海外フルリモートの働き方の中でも、もしかしたら業種が限られるかもしれませんが一応書いておきます。
ぼくのようなブロガー、ノマドワーカー、バックパッカー的な働き方を実践しつつ、そのまま発信をする人たちは、特にオリジナルの体験の証となるものがあった方がいいと思います。理由は言うまでもないですが、信憑性が高まるからです。
なぜかわからないけど「ブログ書いて海外に住んでいます」「好きな場所で働けます」「旅しながら仕事しています」という人の中には、フリー素材を使っている人も多いのが現状。別にフリー素材がイケナイわけではない。人のやり方なので文句もない。
せっかく好きな時に好きな場所で好きなことして生きていると発言するのなら、その証があった方がより現実的に人の心に刺さると思うのにもったいないな、とは思います。証とはつまり、写真です。
書いたものを読むより、見た方が早いしわかりやすいことだってある。現代の人々はカメラ付きのスマートフォンがあるのだから「カメラ持っていかなかったので撮っていません」にはならないと思うんですね。
写真の上手い下手や機材の質は関係ない。海外フルリモートの人に限らず、全員この素晴らしき人生を鮮やかに記録しよう。
7.いざという時の道標は見えているか
「食べていけなくなる不安はないんですか?」ということはよく聞かれます。これも何も海外フルリモートの働き方には限ったことではないと思いますが、食っていけなくなりそうなら、まずひとつ手段として一旦日本へ帰ればいいかなと考えています。帰る場所がある日本人はラッキー。
あとは自分なりに目標や引き際を明確にしておくと、悪あがきしたり引っ込みがつかなくなることもない。ぼくの場合の引き際も言葉にしてあります。「いざとなったらこうすればいいや」があるだけで、メンタルは驚くほど安定するのでおすすめ。
夢や野望は大事です。見た夢は現実にするために頑張った方がいい。しかし現実的には、夢では腹が膨れることないです。腹が膨れないと気持ちも暗くなるし、日々を頑張れないし、惨めな気持ちにもなる。これはぼくの実体験。
夢が大事か金が大事かという話ではないです。どっちもあればあっただけいい。しかし、夢がなくてもそれなりには生きていけますが、金がないと生きていけない。これは事実なので、経済力も豊かに生きていくために必要な力の一つ。好きなことやるためにお金はないとできない。
8.自我が迷子になっていないか
海外在住者にはなかなかの確率で理解してもらえると思いますが、母国語とは違う言葉が飛び交い、自分の常識とは異なる文化の中に身を置いていると、たまに自分を見失うことがあります。「あれ?俺はなんでここにいるんだっけ」「ここにいなくてもいいのでは?」「何やってるんだろう自分」みたいな気持ち。
不思議なことに自分が好きな国に住んで、好きなことを仕事にしているにも関わらずこういう気持ちになる。「何を甘えたことを」「贅沢言ってんじゃねえよ」と思われるかもしれないですが、本当なのだから仕方ない。
個人的には、自分を見失うことがダメなのではない、と思います。生きていれば必ずみんな悩むし、これでいいのかと不安になる。肝心なことは、その状態の自分に気づき、自分が望む方向とズレているので軌道を修正していくこと。
悩んでいる自分も、落ち込んでいる自分も責めなくていい。自分の心に耳を傾け、嘘をつかず、行きたい方向へ行こう。
海外フルリモートの心構えまとめ
「心構え」という表現がふさわしいかわからないですが、日頃からよく考えたり、見直したり、大切にしていることをまとめました。「海外フルリモート」と書いたものの、今の自分の働き方がそうなだけで、同じような働き方でない人にも通ずる部分はあるかもしれません。
これを大事にすれば海外フルリモートで働ける!とかあなたも是非好きな場所で自由な働き方を!なんていう気はもちろんないです。ただ、働き方については聞かれることも多いので、どこかで誰かの役に立てば嬉しいなと思って記事にしました。
あなたが働く上で大切にしていることも、是非教えてください。