学校教員を辞めて日本と海外を行ったり来たりするようになった頃から、毎月飛行機に乗るのが楽しくなって「世界のどこにいても仕事ができる状態が生み出せたらいいな」と思っていた。
そんな折にノマドワーカーという生き方を知って、そんな生き方を目指してこれまでやってきた。未経験からのノマド生活は思い通りなことばかりではなかったけど、やってよかったとも思う。そしてこれからぼくは、移動を繰り返すノマド生活ではなく、カンボジアに住むことにした。
これまでのノマドワークとこれからの活動
まずは知らない人向けに、これまでのぼくのノマド生活をまとめました。
2013年から2015年は国内メイン
2013年からの2年間は日本国内にいる時間が圧倒的に多い時期から、少しずつカンボジアへ行く時間が増えていきました。
2013年の3月に教員の仕事を退職して4月はカンボジア、5月はインドでボランティアをして過ごしました。この頃はまだノマドワークなんて言えた物じゃなくて、どうやって仕事していいのかわからなかった。でも4月に訪れたカンボジアでの出会いになんとなく後ろ髪を引かれて、9月にもう一度カンボジアへ行き、小学校を建てることになりました。
2014年は2月と10月にカンボジアで井戸を掘って、それ以外は地元の静岡県をベースに東京、名古屋、新潟、大阪などを行ったり来たり。
2015年は雨季になると沈んでしまう建設予定地の道をなんとかしたり、クラウドファンディングをして300万円を調達したり。そしてその年の10月からはゲストハウスに住み込みで、小学校建設が始まりました。
2016年は日本とカンボジア半々
2016年3月に校舎が完成して一旦帰国。7月には再度渡航して校舎の横にトイレを作りました。
建設費用の中に含まれていたはずの黒板や机椅子は用意されず、追加で購入するために9月に再度渡航。10月に開校式をして11月から学校が始まって一件落着。これにてぼくのカンボジア渡航は減ると思っていました。
2017年はほぼカンボジア
渡航の数は減りましたが、この年はほとんどをカンボジアで過ごしました。カンボジアでコーヒー屋台をオープンさせたり、ネックレスブランドを立ち上げてその制作のためにタイへ行ったり。6月に一週間ほど帰国しただけで、それ以外はずっとカンボジア。
本当はカンボジアでの小学校建設が終わったら世界一周とかもしてみたいと思っていたのですが、この頃から冷めました。好きな国で暮らして、たまに帰国したり旅行したりする方が楽しく思えてきてしまったからです、だから家を借りました。
2018年からはカンボジアに住みます
そして今は一度日本へ戻り、いろいろ準備をして再度カンボジアへ向けて出発します。
結果としてノマドワーカーとして動いた日々は、これからのカンボジア生活を始めるための下積みみたいな感じでした。時間や場所にとらわれない働き方で生きていく土台が作れれば、本当にやりたいことがやれる。
ぼくはノマドワーカーという働き方そのものをやめるわけではなく、移動のペースを減らしてカンボジアにい続けながらやりたいことが見つかったのです。
収入を得るために決められた場所にいなくてもよければ、一緒にいたい人たちとより一層長い時間一緒にいられるからです。ノマドワーカーのように移動しなくても、好きな場所にいながら生活ができるので、ぼくはこれから好きな国で生活をして、いろいろ始めます。
(追記)始めました
ノマドワーカーのメリットデメリット
旅をしながら働くことをやってみた経験談をもとに、ノマドワーカーのメリットとデメリットをまとめてみました。
メリット
まずはノマドワーカーのメリットから。
時間の自由
24時間365日、自分の自由。出社しなくていいから朝は好きなだけ寝られるし、誰にも嫌な顔されずに好きなだけ連休が取れる。
場所の自由
出勤という概念がないので、自分が好きな場所にいてOK。日本の自宅に引きこもっていてもいいし、海外旅行をしながら旅先で働くこともできる。
異文化の刺激
毎日同じ人と顔を合わせて働く働き方と比べて、移動先でいろんな人と出会ったりすることで得られる刺激や発見が増えます。
付加価値のある人間
海外で働いてみるとその国の細かな情報を得られるので自分の価値が高まる。その国の教育、制度、写真や動画、体験、言語など知っているとできる(使える)では大きな差が生まれる。
日本を客観視
海外にいることで日本で起きていることや、これまで当たり前だと思っていた風習や常識を客観視できる。全てを否定するつもりはないけど、もっと良くするためには「これはおかしくないか?」という健全な批判力を養うこともできる。
デメリット
一方でデメリット。
自力でお金を稼がないと死ぬ
会社や団体からお金を支給されるわけではないので、自分で生活費や渡航費を稼ぐ必要がある。そのため十分な収入が得られなければ、物価の安い国ですら快適性に欠ける暮らししかできない可能性もある。
ネットで仕事を受注して納品する流れが取れれば、ノマドワーカーとしての流れができます。
移動はなかなか疲れる
飛行機に乗ったり空港をウロチョロしたりするのは楽しい。しかし実際には狭い座席に何時間も座りっぱなしになったり、人の多いロビーや待合所で何時間も待ったりしなくてはいけないこともある。
そして海外への移動の場合は時差や気候の差もあり、移動するだけでかなり疲労してしまう。体育大出身でもそう思うのだから、ノマドワーカーには体力が必要。
仕事と遊びの区別
海外旅行をしている人とは違って、ノマドワーカーは働かなくてはいけない。仕事をしながらリゾート気分を味わっている人を見ると「自分ものんびりしたい」と思ってしまう。そして働くだけではなく、仕事のスケジュールに合わせて次の目的地への移動をしたりとなかなかハード。
楽しいこととラクなことの違い
夜遅くまで残業したり満員電車の通勤と比べると、ノマドワーカーの働き方はラクかもしれない。だけど、楽しいとも限らない。一人で働くことで人間関係のこじれはなくなるけど、相談できる人や切磋琢磨できる相手が近くにいないことへの寂しさや虚しさみたいなものもある。
仕事の効率はいいのか
ある程度の作業環境を用意してくれてある会社とは違って、自分の仕事のために必要なものは自分で揃えなくてはいけない。時間対効果は上がるかもしれないけど、いろいろ揃っている会社の方が実は作業効率はいいのかもしれない。カフェやコワーキングスペースを使うこともあるけど、外すと辛い。
いつまでこういう働き方をするのか
ノマドワーカーには社会的信用がない。だから若いうちはいいかもしれないけど、いつまでこういう働き方や暮らし方をするのかを考える上での人生設計は欠かせない。
知り合いのノマドワーカーはYouTubeをメインで活動していて、年収が1200万円超えたのにマイホームローンの融資が降りなくて奥さんが落胆していると聞いた。単に年収が伸びても信用が伴うとは限らない。
自由になったら何がしたい?
旅しながら働きたい理由は何?働く時間と旅をする時間がわかれていたら本当にダメなの?
時間と場所の自由を手に入れてやりたいことは何?
旅をしながら働くことが実現できた先で、あなたは何をするの?
(追記)見失いました
やってみたらいい
旅をしながら働くノマドワーカーという仕事は、辛いことがなくて、毎日が楽しくて、短時間労働で富豪になれるわけではありませんでした。だからと言って、このような働き方をすることが無意味だとも無駄だとも思いません。
なのでやりたいなって思う人はやってみればいいと思います。それがあなたにとってピッタリな働き方だったら続ければいい。
合っていないなって思うのならやめて日本へ帰ったり、違う国で暮らし始めることだってできます。
まとめ
今回は日本と海外を行ったり来たりする生活から、ノマドワーカーという働き方のメリット・デメリットに触れつつ、本格的にカンボジアで定住をすることにしましたって話を書きました。
海外で旅しながら働くことに憧れる人は是非やってみてほしい。好きな場所を求めて移動をするのも楽しいだろうし、好きな場所が見つかってこれから始まる暮らしを考えるのも楽しい。世界のどこにいても生きていける自信がつけば、ぼくらはもっとやりたいことがやれる。自分のやりたいことに向かって歩き続けましょう。
[…] 今住んでいるカンボジアにも自分が住みたくて住み始めたし、住み続けたかったからまだいるし、次はどこへ行こうか考えれば自分次第でいつでも行けます。贅沢だ。 […]